最近「承認欲求の強い人たち」という言葉を聞くことが増えてきました。
単に認められたい欲求と解釈されがちですが、承認とはそれだけでなく大きな意味を持ちます。
もし、あなたが家で、あるいは職場で、朝「おはよう」と言って「おはよう」と返されるとします。当たり前のようですが、これは、単に朝が来たという共有だけでなく、「あなたがここにいる」という存在が承認されたという意味でもあります。
人が無視をされてつらく感じるのは、自己存在の承認がされてないと感じるからです。
相手の存在を認めて、挨拶をする行為自体はとても大きな承認と安心感につながります。
挨拶だけでなく、相手を承認する行為、更に、チームの中で自己の努力や成果が承認されると、自己評価や自己価値感を高めることになり、活性化した円滑なチーム運営に繋がります。
一つの参考として、人の承認の重要な位置づけを伝えているものに、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「マズローの欲求階層理論」(Maslow's Hierarchy of Needs)があります。
マズローの人間の欲求階層理論は
■1階層目:生理的欲求
生命維持のための本能的欲求。例)食事、睡眠など
■2階層目:安全欲求
予測可能で秩序ある安全な状態を得ようとする欲求。例)経済的安定、健康状態の維持など
■3階層目:所属欲求
他者と関わりたい、何かに所属したい、という社会的欲求
■4階層目:承認欲求
自分を認められたい、自分で自分を認めたい、他者から自分の価値を認められたいという欲求
■5階層目:自己実現欲求
自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、自分らしい創造的活動がしたいという欲求
基本的に人間が生きていく生理的、安全な環境が整い、他者と関わる環境が整った上層部分で位置づけされるのが承認欲求になります。マズローの理論によると、承認欲求が満たされると、更に自己発揮、自己の充実に繋がっていきます。
この理論は、チーム運営では、メンバーが承認欲求以前の状況の場合もあるので、どの欲求レベルにあるのか確認し、それに対応するマネジメント手法としても活用することができます。
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